社長ブログ

地域ISPの終わりとはじまり(2)

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
前回「地域ISPの終わりとはじまり(1)」の続きです。

  • 等身大のワークライフインテグレーション

いまワークライフバランスが流行っています。仕事一辺倒ではなく、仕事と私生活が高度に調和した社会やライフスタイルを目指した動きです。しかし今、鹿児島でも増えつつあると感じるワークライフインテグレーションは、仕事と私生活を二元的にとらえるのではなく、仕事も私生活も自分の人生に包含される不可分なものとする考え方です。例えばワークライフバランス思考では、仕事の時間を増やすと私生活の時間が減ってしまいますが、ワークライフインテグレーションでは、仕事も私生活も混じり合っているので、排他的にとらえません。ワークライフインテグレーションの分かりやすい例をあげると、フリーランスのクリエイターなどでしょうか。住みたい場所で働き、働きながら公私共に自己実現を楽しむ、というような。いたずらに経済規模や富を追うのではなく、自分の等身大の豊かさを求めることにつながるスタイルのような気もします。

  • 鹿児島のワークライフインテグレーション

鹿児島においては、クリエイター系の他に、地域密着志向のワークライフインテグレーションに注目しています。地元の伝統的な農海産物や工芸品をリニューアルして新しい価値を作り出してビジネスに仕立てたり、また衰退する地域コミュニティに敢えて飛び込み、廃校のリノベーションなどにより地域資源を再活用したりと、鹿児島県内各地で事例があります。このような地域密着志向の仕事をすると、仕事で関わる人と私生活で関わる人が重なってきて、仕事と私生活の線引きがなくなり、ワークライフインテグレーションにつながっていきます。そして鹿児島では、そのような人が増えつつあります。

他の地方の状況を知らないので鹿児島びいきな見方になるかもしれませんが、なぜ鹿児島に地域密着志向のワークライフインテグレーションが増えているのか理由を考えると、温暖な気候に豊かな自然、程々の人口規模と経済規模、そして程よいムラ(村)感が残っているからかな、と考えています。

  • 地域ISPの新しい役割

そのような状況で地域ISPは、まさに名前の通り地域密着を真っ直ぐに志向する中で、新しい展望が開けてくるのではと期待しています。いま地域で活躍するプレイヤーは、SNSを始めICT利活用に長けた方が多く、その利活用を支える点において、インフラから顧客フロントまで一貫したサービスが提供できる地域ISPの役割は大きいです。現にいま、そういった方々からの期待も実感します。また今後5Gが普及していくなかで、リアルタイム性が重視されたサービスの展開が想定されていますが、そのサービスの基盤として、地域ISPならではの、ユーザーに近いローカル型のDCが脚光を浴びるかもしれません。

技術や社会の動向が今後どうなるか確実なことは分かりませんが、ただ一つ確信するのは、地域ISPであるシナプスは、鹿児島の発展なしに企業としての成長はないということです。

これからも経営理念をベースに、鹿児島ファーストで新しい地域ISPの境地を開拓していきたいと思います。