社長ブログ

スタッフをあきらめることの大切さ

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
ビジネス上の経験則のようなもので、数字にまつわるものがいくつかあります。有名な80対20の法則のほか、95対5の法則などが頭の片隅にありましたが、最近、今ごろ感があるかもしれませんが、2-6-2の法則、別名/働きアリの法則というものを教えてもらいました。

シナプスの代表になって2年半が経ちますが、ずっと試行錯誤を続けているのは、どうすればスタッフみんなの才能を余すことなく引き出すことができて、より意欲を持って創造的に仕事に取り組んでもらえるか?ということです。
1995年にシナプスインターネットサービスは生まれましたが、業界全体の隆盛とオーナー創業者の強いリーダーシップを原動力に、会社としての成長を続けてきました。しかし業界の成熟や寡占化もあって、流れや勢いだけでは会社の成長が見込めない状況になっています。もはや経営者一個人の能力だけで(もちろんそれは重要ですが)、会社が持続的に成長できるほど簡単ではないし、また働き方の多様化やワークライフバランスなどの視点が重視される中で、仕事におけるスタッフ個々人の自己実現も改めて大切です。
そこで会社の成長と個々人の自己実現を同一軸線上に乗っけるために、各種ミーティングでの経営理念の共有と、10年後どうありたいか?の10年ビジョンワークショップを社内で実施しています。これらは竹内が勝手に編み出したものではなく、鹿児島県中小企業家同友会という経営者団体の中で、経験豊富な先輩方からいただいた知恵とノウハウの模倣です。

さて冒頭の「2-6-2の法則」は、その鹿児島県中小企業家同友会の先輩で、コーチングやマネジメントの研修事業を展開されている、A-cube株式会社の大坪さんから教えていただきました。働きアリの法則を簡単に言うと、「アリを観察すると、リーダー的によく働くのは全体の2割、続いて働いているのが6割、残り2割はサボっている。よく働くアリだけ厳選した集団でも、やはり2-6-2に分かれてしまう。」というものです。これは人間社会や会社組織にも当てはまるのでは…ということで、ビジネスの法則としても参考にされているようです。
2-6-2の法則は、大坪さんと会社組織の活性化について話している中で、経営者の考えを浸透させるって難しいですよね、という流れで教えてもらいました。つまりこの2-6-2の法則によれば、2割のスタッフが経営者の言うことを聞かなくても不思議ではないと。
この話を聞いて、気持ちがとても楽になりました。自分と相手のあるコミュニケーションなので、こちらの伝えるスキルの問題も大きいとは思っていても、そう分かっていてもなお「なんで伝わらないんだろう」とか、「伝わったはずなのになんでその行動になるんだろう」など、もんもんとすることが日々あります。でも2-6-2の法則を踏まえればそれは当たり前で、伝わらない2割のスタッフは、そういうものだとあきらめればいいんだと。とてもスッキリしました。

しかし、もちろん話はここでは終わりません。

組織に経営者の考えを浸透させるということはとても難しいことですが、もう一つの心配があります。「スタッフ全員100%が同じ考えになるって、どうなんだろう?」ということです、あり得ないことかもしれませんが。そんな状態はなんとなくの気持ち悪さ(?)もあります。
アリの社会での「サボっている2割」は、Wikipediaによると、最初から働いていたアリが疲れて休むなどして仕事が回ってくると、サボっていた2割のアリが代わりに働き出すそうです。シミュレーションによると、全てのアリが働き者の状態よりも、この方が効率がいいとも。
会社で言えば、一見言うことを聞いてもらえない2割のスタッフによって、会社の潜在力とも言える多様性の確保や余力という部分を、生み出してもらっていると言えそうです。また経営者の視点を狭くさせない、別の観点を与えてくれる力、または経営者の独善や専横に対する健全な抑止力としても期待できます。組織の成長にとって必要不可欠で、とても重要な2割であることに気付かされました。

2-6-2の働きアリの法則、良い考え方を教えていただきました!