2019月11月25日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
最近目に止まった本で「子育て支援と経済成長-柴田悠 朝日新書-」を読みました。発刊された2017年2月は、「保育園落ちた、日本死ね」がメディアを賑わしてから1年あとになります。今は民間企業においても「子育て応援」とは無縁ではいられないので、タイトルに興味を惹かれて手に取りました。
本書の主張をざっくり書くと、
- 社会保障は、国家財政にとって「お荷物」と思われて、いろいろ抑制されているよね。
- しかし社会保障支出の一部、特に子育て支援は、経済成長率引き上げ、財政改善の効果があるよ。
ということです。この主張を裏付けとして、国内外のマクロな統計データを綿密に分析されています。あと念のためですが、大事なポイントとして、政策として実施する「子育て支援の本来の目的は、子供の健全な発達を支援すること」であって、財政最優先ではないことの注意があります。
次のその主張の根拠。
「子育て支援は、経済成長率引き上げ、財政改善の効果がある」は、なぜそうなるのか?ここもざっくり引用すると、
財政余裕を上げるには?
→労働生産性を上げればよい
→そのためには労働力女性比率を上げればよい
→そのためには保育サービスの拡充が最も効果的
というロジックになります。簡単に引用しましたが、統計データの裏付けがあっての主張です。またデータそのもの信憑性や分析手法の妥当性についてその制約の言及もありますが、正直ちょっと理解が及ばず…。
さてこの本を読んで、強引かもしれませんが、企業経営に結びつけて考えてみると、
利益を上げるには?
→労働生産性を上げればよい
→そのためには労働力女性比率を上げればよい
→そのためには子育て支援制度の拡充が最も効果的
となる…んですかね?まったく異なるデータから推測された結論を引っ張ってきているので、根拠は薄弱ですが、あながち間違いじゃない気もします。シナプスは「企業主導型保育園 Fキッズさんとの企業連携」でちょっとだけ子育ての支援をしていますが、単純な福利厚生ではなく、会社損益へのポジティブな効果もあるのかもしれません。
ただここで思ったのが、利益のための子育て支援という視点であるならば、なんかそれは寂しいなということです。利益に結びつかなかったら、子育て支援はしないのか?と。
シナプスは経営理念/ミッションに
- インターネットで、鹿児島の毎日を笑顔にします。」
を掲げて、またビジョンとして、
- 鹿児島・お客様・仲間・家族・自分の豊かさを追求します。
- 鹿児島の生活が楽しく便利になるサービスを提供します。
- 鹿児島に、プロフェッショナルを育成し、その能力を発揮できる環境を作ります。
を挙げています。
もちろん会社の持続的成長は、お客様の安全安心やスタッフの生活安定の面からも大前提とはなりますが、経営理念の視点からは、「子育て支援」というのは手段ではなく、会社経営の目的の一つとすべきです。まだまだ取り組むべき課題はたくさんあり、大きな力もないですが、スタッフだけではなく、鹿児島の明るい将来を見据えた子育て支援は、積極的に考えていこうと思います。