社長ブログ

デマでもなくガセでもなく

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
新型コロナウイルス、昨年末くらいから報道で耳にするようになりましたが、こんな深刻な事態になるとは。2月からのマスク品切れに続き、関係のないトイレットペーパーまで品薄に。

1970年代のオイルショックのときに、第一次(?)トイレットペーパー品切れ騒動がありました。このときの原因は些細なことのようで、報道を通じてそれがパニック的に拡がったと言われています。今回の騒動の原因はSNSを通じたデマの拡散と言われていますが、これだけ物流や在庫管理が整備された現代で自分が実体験するとは、考えてもいませんでした。

この騒動以外にも今は、SNSなどのネットの情報のみならず、報道や政府発表に対しても、その情報の真偽に厳しい目が向けられ、疑念を持たれています。隠蔽している、ウソをついている、デマだ…など。そこでちょっと気になって「デマ」を調べてみたところ、ちょうどよいページを見つけました。
・コトバ解説/「デマ」と「ガセ」の違い(毎日新聞)
これによると、デマつまりデマゴギーとは、人々を扇動する意図があるウソのことだそうです。ということはデマは、①扇動する ②ウソである という2つの条件を備える必要があります。ちなみにガセは、単なる偽物、うわさ話を指します。
で「デマ」ですが、いま飛び交っているデマなるもののほとんどは、この定義に依るとデマではない気がしてきました。SNSでの情報発信は、特に著名人や専門家は実名での発信が多いです。そういった人のほとんどはきっと扇動する意図はなく、自身の価値観において善行として発信するのであり、またウソではなく真実と信じて発信しているように見えます、実名ですし。そういった正義と信じる発信に対して、それはデマだ!と別の正義をもって指摘されたら、そりゃ怒ります。一番難しいコミュニケーションです。逆に悪意を持って虚偽を流布するような、定義通りのデマを流す人のほうが、本当はまだ価値観が近く分かり合えるかもしれません。

こんな正義の応酬は見ていて辟易するものですが、人の性からいって、人がどんなに学び成長しようとも、デマも正義の対立も撲滅はできないでしょう。逆に、デマもしくはデマっぽいものの全く無い世の中も、統制と画一化が極端過ぎて怖い気もします。もちろんデマの及ぼす甚大な被害を許容するわけではないですが、デマまたはデマっぽいものを完全に封じるような世界よりは、まだましな気もします。

1970年代のトイレットペーパー品切れ騒動は、その勃発から収束まで、4-5ヶ月掛かったそうです。新型コロナウイルスの収束を楽観する状況にはまだないですが、せめて経済状態の悪化が最小限に食い止められ、みんなのありふれた日常が一刻も早く戻ることを願います。