2020月5月7日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
今となってはなんだか文字通り隔世の感もありますが、3ヶ月前の2月、地域創生に関する話を伺う機会がありました。人口減少と少子高齢社会に直面する地方のリアルについてのお話でしたが、聞いていて思ったのは、いろいろ課題はあるけど、本質的には昔からある課題であって、今に始まったものではない…のではないか、ということです。これまでは高度経済成長の勢いとか、もしくはみんな等しく貧しかったことで優先すべき課題ではなかった、または情報メディアの未発達で課題の報道もなく、気付かれなかったとか。
最近のステイホーム状態で気付いたことがあります。もちろん自分も含めてですが、人は多くの”楽しみ”を他者に依存しているんだなということです。それが良いことかどうかは分かりません。
私は沖永良部島が好きなんですが、数年前に和泊町で参加させてもらった結婚披露宴は、自分史上最高に感動しました。公民館にみんな集まっての、一見派手さのない披露宴です。でも新郎新婦の同級生が手作りで会場を
飾り、ご近所の方々がみんなで料理を準備し、同じ町内の人たちが喜々として集い踊り祝い、沖永良部高校の後輩在校生が、素人技ではないパフォーマンスでステージを盛り上げる。沖永良部島は人口1万2千あまりの決して大きくない島です。2012年に24時間営業のコンビニができてニュースになったくらいですし、台風が来れば船が欠航して食料品も不足したりする、とても便利とは言えない島です。でもそういった制約のある環境だからこそ、沖永良部の多くの方は、自分たちで自ら楽しみを生み出し、自分たちが誰かを楽しませるという、一方的に依存しない”楽しみ”づくりがごくごく当たり前の日常になっているとも思います。もちろん大変なことだと想像しますが、個人的にはひとつの理想です。
鹿児島県は5月7日から、新コロナウイルスの緊急事態宣言の中身が少し変わり、新しい段階に入ります。ただステイホームは続き、「新しい生活様式」への変化も提起もされています。いろいろ制約された日常生活が続きますが、単なる災禍として通り過ぎることだけを願うのではなく、こういう時しか気付かないものを見落とさないように、自分自身の振り返りの好機ともとらえて、乗り切っていこうと思います。