社長ブログ

お客様サポートの幻想

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
シナプスは主にインターネット接続サービスをご提供する会社、インターネットサービスプロバイダ(ISP)で、ありがたいことに「シナプスはサポートが良いから。」という嬉しいお言葉を頂くことも多いです。でも最近、その点に関わって「幻想かも…」というある懸念に気付かされました。

ISPの仕事では、とても多くのお客様にサービスをご提供させていただきます。が反面、お客様との接点は決して多くはありません。シナプスにご加入いただき、ご自宅などの通信環境が整ってしまえば、もうそれ以降の接点やコミュニケーションは発生しません。次に必要に迫られるコミュニケーションの機会は、何かしらの原因で通信サービスにトラブルが起きて、サポートセンターにお問い合わせをいただくときです。トラブルを未然に防ぐ努力はもちろん大前提ですが、この貴重なコミュニケーション機会を最大限に重視して、サポートの品質向上に努めています。それがゆくゆくは、ISP事業の成長につながると確信していました。「いました」と過去形にしたのは、それが幻想で、明確な根拠のない思い込みだったのかも…と、考え始めたからです。

まだ読み終わっていないのですが「おもてなし幻想」という本がきっかけです。そこで言及される幻想とは「感動的な顧客サービスは、顧客ロイヤリティを上げていくことには関係がなく、ある程度の顧客サービスを行っていれば、顧客ロイヤリティは一定に保たれる」という点です。とことんサポート品質を向上させれば、お客様のシナプスへの信頼はずっとリニアに向上し、解約せずにお付き合いをしていただけるはずだ。とか、それが必ずしも正しくないということです。

でも薄々気付いてはいました。過去のお客様ご満足向上の施策で、その施策のあり/なしについて解約率にまったく有意差がなかったこと。また最近では、サポート満足度調査で高評価をいただいたお客様でも、解約が明確に減少しないことなど。しかし「幻想」に縛られて、まだまだ努力が足りないのだ…と思い込んでいました。結局、お客様のためだと言いつつただの自己満足で、お客様をしっかり見ていなかったんだと、その事実を突きつけられました。

ITの利活用は、今の新型コロナウイルスの災禍をも追い風として益々進んでいます。鹿児島でも経済面だけではなく日常生活においても、ITはより不可欠さを増していくと考えられています。シナプスはそんな鹿児島の毎日を笑顔にするために、鹿児島のお客様が求めるもの、描いていることを正しく見つめるニュートラルな目線を心がけ、正しいIT利活用サポートのあり方を考えていきます。