社長ブログ

強い会社・良い会社

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
会員になっている鹿児島県中小企業家同友会という団体で、グロービス経営大学院/田久保善彦さんのお話を伺うことになりました。その担当になったことから、田久保さんの著作を読んでおこうと思い、「創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」という本を手に取りました。

その本の中にも多くのデータが例示されていますが、世界の長寿企業ランキングが興味深いです。創業100年以上、200年以上の企業数ランキングで、いずれも日本がダントツ1位です。日本というクニ自体の歴史の長さや島国といった要因はあるにしても、そうだとしてもすごいです。

「創業三〇〇年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」は、そういった日本の長寿企業を分析した本ですが、300年以上の歴史があって、今でも年商が50億円超の日本企業69社を分析し、その共通項から経営のあり方を探ります。ページをめくるたびに目からウロコでしたが、長寿の秘訣として、①時代に合わせて自ら変化し、顧客価値を提供し続ける ②身の丈経営 ③次世代への価値観の継承 が挙げられていました。

経営者の端くれとしてこれまでなんとなくすっきりしなかったことに「会社の規模」があります。会社は大企業の方がいいのだろうか?という疑問です。ステータスや安定の点で大企業には漠然とした「いいなあ」はありますが、でも当然のこととして、企業の規模と社員の幸福度とか、お客様や地域への貢献度合いが比例するとは限りません。また最近のビジネス系メディアの風潮に、GAFAやBATといった超巨大企業を引き合いにして、日本の企業はもうだめだ…というものもあります。でもこの本を読んで、日本の企業や日本型経営(それがどのようなものかは勉強不足ですが)は、企業寿命の観点で、改めて見直されてもよいのでは、とも思いました。単純な売上規模よりも、長く続くということの重要性の再認識です。

そしてこの本から受けた重要な示唆のもう一つ。
長寿企業は平時には堅実に手堅い経営を行い、非常時には大胆な投資と企業変革を行う、というのもありました。逆に言うと、何事もない平時に自らを変革することは、その必然性が多くの関係者に理解されないためにかなり難しく、しかし非常時には変革の必要性が共有されるために、実行しやすいということです。そしてその変革こそが、長寿と次の長期繁栄の原動力となります。

いまは間違いなく非常時です。新型コロナが収束したときに世の中は元に戻るのか、それとも新しい価値観や仕組みの世の中にアップデートされるのか。どちらかは分かりませんが、シナプスも変わらないといけないとは、日々痛感します。

あ、ちなみに鹿児島県の長寿企業はNo.1は、徳川吉宗が将軍だった1719年創業の若松酒造さんだそうです。創業302年!