社長ブログ

意見の衝突

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
最近目にした記事で、健全な意見の衝突(Healthy Conflict-ヘルシー・コンフリクト)という考え方を知りました。その記事は、職場や組織を改善するために「健全な意見の衝突」が必要だけど、日本では意見をぶつけ合うことに苦手意識を持つ人が多い…という話でした。確かにそうかもなと。会社など長期的な人間関係が重視される組織では、同僚やましてや上司と対立するのを避けたい気持ちが先に立ってもおかしくはないです。以前のここのブログで心理的安全性に触れましたが、通じるものがあります。

さらにその記事では、健全な意見の衝突をつくるための3つの「る」とうことで、「ほめる」「ボケる」「ファシる」が挙げられていました。詳しくはその説明の動画版もあるようです。いろんなミーティングに参加したり主催したりしてきましたが、意見の衝突の場面にも多く出くわしてきました。その経験では3つのうち特に「ファシる」が重要だと思います。具体的な方法として思うのは、「他の人の意見の言い換え」と「議論の目的確認」です。

1つ目の「他の人の意見の言い換え」は、「否定された感」を打ち消すために行います。主観になりますが、”健全じゃない”意見の衝突の原因は、たいてい「否定された感」です。自分の意見に対抗する意見が出されると、それを自分の意見への否定と捉えて、さらに自分そのものが否定されたと思い込むことがあります。特に社会的立場の偉い人ほどその傾向があるような…。これは対抗する意見をした人の真意には関係なく、意見をされた側がどう受け止めたかのみが重要です。この空気を察したときに必要なるのが「他の人の意見の言い換え」です。やり方は「ちょっと私の理解の整理なのですが、その意見って、〇〇という意味ですっけ?」という感じです。あくまで言い換えの原因は「自分の理解」のため、つまり私・自分にきっかけがあると、まず前置きすることが重要です。そうしないと”こいつなんかしゃしゃり出てきた感”を与える可能性があります。そして意見をされた側の人が否定と受け止めないような柔らかい表現に言い換える、もしくは対抗する意見ではなく補完する意見というふうに表現を変えるという「ファシる」です。

2つ目の「議論の目的確認」はけっこう使える「ファシる」だと思います。そして簡単です。先に上げた1つ目の「他の人の意見の言い換え」は、不健全になった当事者たちの発言・感情を理解している必要がありますが、この2つ目は、両者の言っていることがさっぱり分からなくても使えます。やり方は単純に「この議論の目的ってなんでしたっけ?」と発言するだけです。ちょっととぼけた感じを入れれば「ボケる」感もあって、なお良いかもしれません。”健全じゃない”意見の衝突は感情が前面に出ているので、たいてい議論の目的を見失っていることが多いです。そのときに改めて、議論の良し悪しを測る客観的なものさしとなる「議論の目的」をみんなで再確認しょうとするものです。

この2つの方法でもなんかしこりが残ったときは、ミーティング後も重要です。茶化した感じで「今日の会議は白熱しましたね!」とか、「どちらの意見もなるほど!と思いました、難しいですね!」などとクールダウンをすることも、次の前向きにつながると思います。
ただ何より一番は、自分自身が「他の人の意見の言い換え」と「議論の目的確認」を十分認識することです。相手がどう受け止めるか?に注意を払って表現することと、そして議論の目的を見失わないことです。

にしてもこのテクがあれば、健全でない意見の衝突があってもいいな…。