2023月6月26日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
毎年受ける健康診断の結果が郵送されてきました。まあ去年と変わらず、年相応の不健康さでした。もうちょっと前のことですが、血圧と血中脂質が高いと指摘されて、栄養指導でダイエットを勧められました。ダイエットには有酸素運動だということで、過去の一時期はジョギングやウォーキングにはまっていました。もちろんとっくに飽きて、もうやっていませんが。
ジョギング・ウォーキングは、その最中はなんかヒマで苦痛です。なので当時は週末たまに気分転換で、姶良市の「白銀坂」に登っていました。まあまあ急勾配で足腰の筋肉を酷使しますが、ゆっくり往復しても2時間弱と、程よい負荷です。高低差は300mとのことですが、自然豊かで高度とともに変わる植生とか、ところどころで垣間見える姶良市街地とか桜島とか、視覚的にもまあまあ楽しめます。そしてなんといっても「歴史国道」なので、「あーここを西郷とか大久保が江戸や京都に向かって歩いたのかー。」などと、薩摩の偉人を感じたりもできます。
そういう感じでほぼ心地よいのですが、でも嫌な思い出もあります、主に夏です。白銀坂は、ほとんど他の人とは出会いません。なので自分がその日初めて通る人となると、例えばでっかい蜘蛛の巣にぶつかるとか。あと、よく分からない虫たちがブンブンとなぜかまとわりついてくるとか。なにより一番は蛇です。ふと気付いたら、歩く支えで手を掛けた木の根元に蛇が。帰りはもう、そのルートは歩けません…。そして「マムシ注意」の看板もあるので、もし噛まれでもしたらと思うと、頭をよぎるのはリアルに「死」です。助けを呼ぼうとしてもスマホの電波もギリギリだし。もちろん歴史国道という観光スポットで安全な場所ですが、何事にも100%は無いです。
自然っていいよね!には賛成なんですが、でもリアルな自然は人間の味方でもないし、心地よいものでもないです。10年くらい前か、今は亡くなった義父に「サバイバルゲームで使ってもいいよ」と言われた山中の私有地がありました。喜々として現地を見に行ったものの、轟音にも聞こえる無数の蚊の音、そこらじゅうの蜘蛛の巣、そしてまたもや蛇と、ゲームにならないサバイバルを感じて断念しました。
ジョギングとウォーキングにはまっていたときの別のエピソード。鹿児島市吉田町から姶良市まで歩いたときです。鹿児島市の旧吉田町役場から姶良市の岩劔神社まで、Googleマップでは細いながらもちゃんと道路となっていて舗装もされていて、約6kmとそんな大した距離ではないです。若干の高低はありますが、ただ山の中をくねくねと歩いていきました。細い道ですし、車も人も通りません。ただ一人、黙々と歩いていきます。このときですが、意外にもふっと”怖さ”を感じました。天気もいいですし、蚊も蜘蛛も蛇もいません。では何かというと”静けさ”、めちゃくちゃ静かなことです。白銀坂は、近くの幹線道路の車の音とか、登っていっても鳥の声とかせせらぎの音、蚊の飛ぶ音とかが聞こえます。でもそこの道はひたすら静かでした。ただただ静かという怖さ。不思議です。家の中を真っ暗にして、静かな中で寝ても怖さを感じないのに。このときも、自然ってなんだか怖い…という実感を持ちました。
自分自身、鹿児島で暮らして仕事をして、またシナプスは「鹿児島」にこだわって経営をしています。そのために鹿児島にしか無いものはなんだろう?とか考えることも多いです。自分なりの結論は、大した結論でもないですが結局は、気候風土と歴史(これも、気候風土からの挑戦に対する人間による応戦の記録と言えるかも…とか)かなと思っています。これらは他の地域には真似できませんし、人の気質に対しても、歴史と気候風土の影響はとても大きいのではないかと思います。そして気候風土と言えば「自然」です。鹿児島の身近で豊かな自然は、大きな財産です。美しい、心地よい、心洗われる自然。でも蚊も蜘蛛も蛇も、怖いまでの静けさも自然。全てトータルで、鹿児島の自然はやっぱり豊かなんだなと思います。