2023月7月24日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
ミスチルことMr.Childrenは、自分が学生のころから今に至るまで、ずっとヒットを飛ばしています。すさまじいです。いくつもの名曲がありますが、歌詞が難解な曲~自分の感性の問題も大きいですが~も多い気がします。1996年発表の「名もなき詩」、カラオケで何十回歌ったことか。でもこの歌の歌詞もやっぱり難解です。
歌詞の中で最近ふと思い出したのは、「知らぬ間に築いてた 自分らしさの檻の中で もがいているなら」です。この曲を初めて聞いたのは20代ですが、そのころから「自分らしさの檻」ってなんだろうな…とうすうす疑問に思っていました。あと「あるがままの心」とか。今になって思い出したきっかけは、ある芸能人の死です。その方のファンでもなく詳しい訳でもなく、死に至った理由や背景はまったく知らないので、ただのきっかけなんですが、その方のように(たぶん)「自分らしさ」に悩む人は多いのではないのかなと。勝手な妄想なんですが。
それからしばらく考えていて、ですが、自分らしさって漠然と大切なものだと思っていましたが、現時点の率直な感想としては、そんなに後生大事ななものだっけ?と、ちょっと疑問を持つようになりました。
ChatGPT先生に聞いても回答がしっくりこなかったので、手作業で自分らしさを検索してみました。検索結果から拾った自分らしさの意味を列挙してみると…
・ありのままの姿 ・自分の信念を大切にすること ・偽ったり取り繕ったりしていない本来の自分のありよう ・価値観を大切にして自然体でいる状態 ・他の人にはない自分の特性 ・自分自身で認める個性など・・・どれも、そうかもなーと思いつつ、でもだからなんなんだろうという気も。
あと自分らしさを実現するとどんな効用があるかというと、
・意見や考えを本音で話せる ・思った通りの行動ができる ・周りの環境に流されずやりたいことができる ・自分をありのままに受け入れられる→自分を受け入れることで相手も受け入れられる・素直な自分をさらけ出してまわりから愛されている・・・などなど。これらについては、本当にそうかなという疑い?も、ちょっと持ちました。
こうやって調べてみると、自分らしさは個人内面のテーマのように装いつつも、実は他者や社会との関係の中で存在しているんだなと。そしてその二面性が自分らしさの悩みをややこしくしていそうです。この二面性に起因して、自分本来の自分らしさと社会から求める自分らしさのギャップが生まれます。あともう一つ、自分らしさは固定的なものではなく、時間や場所によっても変わるものです。同じ一人の人でも、小学生と老年では自分らしさは変わっていくはずだし、会社と家庭でも自分らしさ、またはこうありたいという自分らしさが違うはずです。会社と家庭で、どっちが本物の自分らしさだ!という判定も現実的には難しいです。「いやいや。さらにその奥底に本当の自分らしさがあるんだ!」と考えだしたらもう沼です。そうすると結局自分らしさなんて、あと付けでしか分からないんじゃないか?と。なので、考えても求めても無駄なのではないかと思い至りました。
「自分らしさの檻」とは、自分自身の幸不幸に対してそれほど重要でもない自分らしさという単語にこだわってしまう、自分で勝手に作った檻のことなのかな。そうして、じゃあどうすれば?という観点で「名もなき詩」の歌詞を眺めるともう一つ、「あるがままの心」が目に止まりました。自分らしさはどうでもいいから、その時一瞬を素直なあるがままの心で、より良いと思う方向に決めてまず行動することではと。でも「あるがままの心で生きられぬ弱さ」もあるよね、というジレンマ。でも仕方がない、「誰だってそう僕だってそうなんだ」から、その一瞬を素直に頑張り続けるしかないのか。…というミスチルの話でした。