社長ブログ

馴染ませられる学生

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
ブログタイトルの「馴染ませられる」が日本語として正しいのか自信がないのですが、これはある特定の環境に変化させられる、適応させられるという意図で使いました。あるシンポジウムに登壇した二人の学生の、初々しくも堂々とした話し振りに感心し、そしてちょっと考えさせられたことがきっかけで思いついた、「馴染ませられる」です。

そのシンポジウムは、どうすれば地元学生が地元に残ってくれるか?地元企業で働いてくれるか?というテーマで開催され、教育機関と企業経営者に加えて、2名の学生も登壇して、パネルディスカッション形式で行われました。聴講するのは100名弱の経営者や教育関係者、もう大人のなかの大人です。そんななかでしっかりとスーツを着て、ちょっと緊張しつつも笑顔で登壇する二人の男女大学生。すごくないですか??そして大人たちの視線を集めながら、明瞭で十分な声量で自分の意見を表明する。「あんな学生を採用したい!」と思った経営者も多いはず。私もそう思いました。ただ同時に疑問も持ちました、「なんでできるの?」と。だって学生の時の自分では考えられません。そもそもの素質と言われればそれまでですが、自分の学生時代の周りの友だちを思い返してみても、できそうなやつは思い出せません。学生の時、会社で働く大人はもう別世界の人でした。何を話して良いかも分からないし、何を期待されているかも分からない。そもそも大人との接点なんてほとんど無かった気がします。今の学生は、なんでできるんだ?と。

経営者の立場になってからは特に、教育や行政の方々との接点も増えました。ほぼ漏れなく、日本の経済的成長問題への対策として、学生・若者への期待が大きいです。そのなかで、企業と学生の接点づくりとか、また大学生のみならず、高校生や中学生の職業観づくりに企業や社会人の経験を取り込もうというような活動があったりします。たまーに協力を求められたりして、喜んで協力をさせていただいたりもします。社会を早く知って、多様な選択肢を知って、自分にあったものに早く出会えたら、それはいいことだろうと。これまで疑問に思ってはきませんでした。が、このシンポジウムで2つほど、ちょっと考えさせられました。1つ目は、子ども・学生は社会発展の手段なのか?、2つ目は、そんなに急いで、生きづらい大人社会を知る必要があるの?です。1つ目は今回置いといて、2つ目の方です。

そのシンポジウムに登壇した学生は、確かに素晴らしかったです。また他でも、経営者との交流会に参加してくる学生ですが、いろいろな問題意識を持っていて、将来への期待と頼もしさを感じます。良いことだとは思うのですが、でも一方で、自分(竹内)が認めるということは、学生彼らは今の大人社会に適合させられていないか?という、懸念も持ちます。彼らの活躍する未来には、とっくに過去となっている今の大人社会の価値観に馴染ませられていないか?と。今は長寿社会です。後期高齢者世代でも元気な方が多く、その分現役の期間も長くなります。であれば子どもは子どもだけの社会でもっと長い時間を掛けて、ゆっくり育ってもらってもいいのではとも。それでも十分な現役の時間を確保できます。そして、大人の価値観に汚されない子ども社会の中で新しい価値観をしっかり育み、自力で新しい明るい未来を切り開いてもらうのもいいんじゃないかなあと、思ったりしました。