社長ブログ

異文化理解力

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
2024年度も、よろしくお願いいたします。さてこの前の2月になるのですが、FacebookやInstagramを運営するメタ社本体で働く、鹿児島県出身のNさんとお話しする機会がありました。これまでも外資企業の方との縁はありましたが、外資の日本法人所属の方ばかりで、外資本体で働く人とは初めてかも。とてもおもしろい人でした!

メタ社といえば、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのIT企業。GAFAとか、マグニフィセント・セブンといわれるアメリカの超巨大企業群の一角を占めて、時価総額はなんと200兆円!日本最大のトヨタの時価総額60兆円の3倍以上です。世界中から優秀な人材を集めて、突っ走っている会社です。Nさんとのお話は「働き方」が中心となりました。特には出身国の違う仲間とのコミュニケーションです。共通の言語は英語として、文化・風習の異なる人たちが、どうやって仲良く働いているのかな?と。いろいろ伺う中で「良い本がある!」と教えもてもらったのが「異文化理解力ー相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養ー」でした。

この本では、異文化理解のための8つの指標を挙げています。もちろんこの指標は文化の優劣を測るものではなく、またその文化に属する人自体をステレオタイプ的に決めつけるものでもありません。あくまでお互いの傾向を理解して、円滑なコミュニケーションにつなげるものです。

異文化の例としてけっこう知られている有名どころでは、日本とアメリカの”空気を読む”でしょうか。日本は「これくらいは分かるだろう」という前提でだいたい伝えればよいけど、アメリカはこと細かく全て網羅して伝える必要があるなど。なのでコミュニケーション上の行き違いがあると、日本では情報の受け手側のスキルが問題視されることがあり、アメリカでは情報の送り手側の情報不足が注目されるなどです。
あと目からウロコでおもしろかったのは、会議などでの議論に対する考え方です。例えば日本の会議では、よほどのことが無い限り、誰かの意見に対する強烈な反論はしません。反論があってもやわらかい表現を心掛けます。でもドイツは違うそうです。意見に対しては、原則の姿勢が反論とのこと。どんな良い意見でもまず、徹底した反論です。日本人だったら涙目になりそうな会議ですが、ドイツ人はそれが良いことだと考えます。なぜか?それは徹底した反論の中で、その人の意見の正しさが証明され、補強されるからだそうです。なのでその意見を出した人のためにも、徹底した反論をすると。逆に反論しないことは、その意見に対して興味がないというネガティブな姿勢に受け止められるらしいです。なるほど!

この本で繰り返し書かれているのが、決めつけないこと…です。8つの指標で異文化を見るからと言って、それで全ての人を一括りにしてはいけないと。8つの指標を念頭に置きながら、お互いの違うところを認め、同じところを確認していく、とことんその人に関心を持ち、しっかり観ることの重要性が書かれています。外国人との仕事はほぼ無いですが、この考え方は同じ日本人同士のコミュニケーションでも参考になります。この本を読んで、自分の気持ちに少し余裕ができた気もします。人が違えば、考えも違うのは当たり前だと。

新年度が始まりました。またこれからの新しい出会いも楽しんでいきたいと思います。