2024月9月16日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
最近のニュースと言えば、自民党の総裁選で持ちきりです。史上最多の立候補者数9人!なかなか政治に強い関心がないと、主義・主張の違いも分かりにくいです。一方で野党の立憲民主党も代表選があります。こちらは4名の立候補。代表現職の再選すら危ぶまれており、ベテランが返り咲くのか?なかなか興味深いです。
こういったブログで政治について触れるのはなかなか悩ましいのですが。
ずーっと引っ掛かっていることがあります。それは新型コロナが猛威を振るっていた頃に、コロナは世界を変えた、アフターコロナはもう元の生活様式ではない、などと言われていましたが、実際はほぼ、元に戻ったことです。あれだけみんなの日常に激烈な影響を与えて、そして日本だけで何十兆円というお金を注ぎ込んだ災禍から、元に戻りました。元に戻ることはもちろん良いことなんですが、でもあれだけの災厄で被った”負債”がこんな簡単に帳消しになるのが、とても信じられません。
その前提で自民党の総裁選、つまりは日本の次期首相を決める選挙を見ていると、経済・安全保障・エネルギーなどどの分野でも、「こうすれば、今よりもっと良くなります!」という主張ばかりです。例えば経済政策では、みんなが物価高対策・賃金アップを約束していますが、そんなに簡単なことなんだろうか?と。経済成長では、スタートアップ支援やDX促進、雇用・働き方が相変わらず目玉ですが、結局アメリカの先進企業のやり方の後追いであって、本当にそれでみんな幸せになれるのかな?など。
もちろんその手法の細かくは候補者のみなさんで違うのですが、「こうすれば、今よりもっと良くなります!」について、そんなことがあり得るのだろうか?と思ってしまいます。コロナであれだけの負債を抱えたのに、国民のほとんど(一部の方は多大な負担を負ったと思いますが)が何にも我慢することなく負担を増やすことなく、このまま過ぎていくのだろうかと。総裁選の主張で「国民の皆さんに○○の我慢をしてもらわないと日本は立ち行かない。」という、不興を買うことを言う人は一人もいません。民主主義という人気投票制度のもとで、そんなことを言える人はさすがにいませんが…。
9月11日に、ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領が死去したとの報道がありました。
1990年に日系人として初めてペルーの大統領に就任しましたが、当時「こんなかっこいい日本人の政治家がいるんだ。」と驚いた記憶があります。「かっこいい」というのはもちろん見た目ではなく、その全身にみなぎるリーダーシップです。インフレを克服して経済を立て直し、また反政府武装グループを徹底的に取締まったり、1996年の日本大使公邸人質事件では救出作戦を指揮しました。でもその一方で、強権的な政治姿勢が大きな批判を浴びて、最後は日本に亡命して、そしてペルーに引き渡され、在任中の市民殺害などの罪で禁錮25年で服役しました。でも本人は必ずしもその罪を認めていなかったようです。フジモリ元大統領の政治家としての活動は報道のうわべだけしか見ていないので、良いのか/悪いのか、判断に迷います。ただ思うのは、意志ある政治は万人受けしないのでは?という仮説です。人の命を奪うのは論外ですが、自分の信じたことを貫く中で、多くの敵が出てくるのは想像に難くないです。残念ながら日本では、その政治システムから考えて、フジモリ元大統領のような強烈なリーダーシップは生まれてこないでしょう。
でも決して政治や未来を悲観しているわけではないです。コロナの”負債”なんか、そんなもの実際に無いのかもしれませんし。ただ実際に返すべき”負債”があったとしても、シナプスの舵取りはしっかりやっていかないと!と思います。