2024月11月25日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
「コツコツ禁止」とややあおり気味なタイトルにしましたが、これは「言われたことをコツコツやってはいけない」という「脳に悪い7つの習慣」の一つから引用したものです。「脳に悪い7つの習慣」は、林成之さんという、脳低温療法という治療法を開発したり、また北京オリンピック競泳チームを勝利に導くことに貢献されたりした方のようです。コツコツ禁止、意外ですよね?
脳に悪い習慣とは、
(1)「興味がない」と物事を避けることが多い
(2)「嫌だ」「疲れた」とグチを言う
(3)言われたことをコツコツやる
(4)常に効率を考えている
(5)やりたくないのに我慢して勉強する
(6)スポーツや絵などの趣味がない
(7)めったに人をほめない
と、この7つだとこの本には書かれています。それは脳神経細胞が持つ3つの本能、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」と、あと2つのクセ、「自己保存~脳は自分を守ろうとする、生きたい」と「統一・一貫性~脳は、統一性、一貫性が保てなくなるような情報を避けようとする」から導かれるといいます。この本を読むのは2度目です。1度目はそのあたりの理屈がよく分からず、ざっと読み流して終わりました。しかしやっぱり気になり2度読んで、ちょっと理解して今に至ります。
さて「コツコツ」ですが、それはなぜ脳にとって悪いのか?一番の理由は、自己報酬神経群が機能しなくなり、思考停止してしまうから…のようです。自己報酬神経群を働かせる、脳にとっての報酬とは、自分にとっての短期的な単なる損得ではなく、3つの本能、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」を満たされる可能性があるか否かです。そして自己報酬神経群を働かせるためには、自ら積極的に報酬を得にいく、主体性が重要だそうです。ところがコツコツする場合には、その作業や繰り返し自体が目的になってしまい本来の目的を見失いやすい。またコツコツの姿勢は、上司の指示やマニュアルに従うだけになってしまい、主体性が失われて、自己報酬神経群が働かないようです。んーなんだか難しい。コツコツしながらも、「この方法がベストなのか?」を常に疑って取り組むということでしょうか?もしかしたら守破離に通じるのかも。
まあこんな感じで、どこからどこまでが医学的な脳に関する話で、どこからは著者の医療現場の経験に基づく主観的な話なのかが分かりづらく、その点が難解な気もします。あと「7つの習慣」というキリの良さに寄せ過ぎていて、1つの習慣のなかにいくつもの要素が入っているような。巻末に悪い習慣のチェックリストがあるのですが、その項目は31もあります。
それはそれとして、自分の考え方のクセを再考するために参考にできることが多々ありました。一番は、A10神経群が「情報にレッテルを貼る」です。中立な事実やできごとに対して、好き嫌いなどの感情のレッテルをまず貼ってしまい、その後の行動に「よしがんばろう」とか「嫌だな、避けたいな」などの姿勢として大きな影響を与えます。認知行動療法の認知に当たりそうです。沸き起こる自分の感情をいったん客観的に見つめ直すことも、大事かもしれません。