社長ブログ

ポケットオルゴール

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
友人がフェイスブックで「政策は別として、トランプ大統領のスピーチの説得力・力強さが、僕も欲しい。」と書いていました。確かになと。やっていることは別として、この行動量と発信力、周りを巻き込む力は尋常じゃありません。人が動くのは理屈よりも情緒。危機的な状況を打破するには、こういう力が必要なときもあるのかなと。ただトランプ大統領のやり方で結果として、人々がハッピーになるか?は分かりませんが。

会社の方向性や新事業、新サービスなどを考え続けています。その時たまに思うのが、ITに関わるサービスを考えるときって、便利さ向上か娯楽を志向しがちだなということです。私だけかもしれませんが。便利なサービスや楽しいサービスは、分かりやすくて、また他のサービスとの比較もしやすくて訴求しやすい。
以前あった試験的なサービスで、認知症の高齢者の徘徊対策として、靴に小型のGPSを付けておく…というものがありました。たぶんこれは事業化されなかったと思うのですが、その理由は、認知症の方がそのGPS付きの靴を履くとは限らないというものだったような。全部の靴に付ける訳にいかないし、靴を履かないことも多いし、なんの味気もないGPS端末をわざわざ持って徘徊に出ることもない。結局、周りの人には便利かもしれないけど、高齢者本人からすれば何も意味がないサービスです。半分笑い話ですが、でもこれに近いことは、日頃自分もやっていそうな気がします。

ところで去年の2024年8月に南日本新聞の「好きな時、好きな場所で心癒やす音色を…ポケットオルゴール 障害者や高齢者の生活向上考える中から生まれたアイデア 南九州大・山之内准教授が開発」という記事が目に止まりました。オルゴールって最近見かけないなと思いつつ、ポケットオルゴールについてちょっと検索すると、「高齢者が愛着を持って肌身離さず…」との事例紹介がありました。これを見て、このポケットオルゴールにGPSを仕込めば、おじいちゃんおばちゃんに常に持ってもらえて徘徊対策になるのでは?と安直!に思いました。
その安直なアイデアは置いといて、時間が経ってしまいましたが先月2025年2月にやっと、都城市の南九州大学/山之内先生の研究室を訪ねました。大学入試シーズンのお忙しいなか、こんな思いつきでのこのこやってくるやつを温かく迎え入れてくれる山之内先生。申し訳ない…。ポケットオルゴールの実物を見せていただきながら、その5-6センチの小さな手作りのポケットオルゴールに込めた思いを話してくれました。コストを抑えるために部材は百均で買ったものがほとんどで、近所の木材会社にボランティアで端材を加工してもらっているとのこと。「なけなしの年金を注ぎ込んでねー(笑)」と。実際にポケットオルゴールの制作も体験させてもらい、夏休みの子どもたちの体験ワークショップにうってつけかもと思いました。それにしても、オルゴールのドラムの突起が回って、金属板を弾いて音を奏でる様子は、眺めていて飽きません。不思議だ。

シナプスの経営理念/ミッションは「インターネットで、鹿児島の毎日を笑顔にします。」としています。さらに笑顔をつくる方法としては「生活が楽しく便利になるサービス」を挙げています。ここでは、楽しく=娯楽と思いがちで、自分の中でも曖昧な点がありましたが、それだけだと視野が狭いなと思いました。ポケットオルゴールの持つ魅力に触れて、情緒的な豊かさや充実感も含めて「楽しく」であるとすべきかなと。情緒に訴えるデジタル、なにかないかな?