社長ブログ

鳥取へ

こんにちは、シナプス代表の竹内です。3月の末に、鳥取県鳥取市に行ってきました。人生で3度目。1度目は確か社会人になり立ての夏で、当時住んでいた滋賀県から車で何気なく西の方に向かい、そしていつの間にか鳥取砂丘にたどり着きました。滋賀県は日本の中央にあって、どこかしこにぶらっとドライブに行くには四方八方に選択肢が多くて良いところです。それに引き換え鹿児島は端っこなので…。

2度目はそのドライブの翌年に、今はなき鳥取三洋という工場に仕事で行きました。仕事の内容は不良品の選別です。出荷した電子部品に不良品が混在してしまい、そのクレーム処理として行かされました。何万個という小さな電子部品を、朝から晩まで双眼顕微鏡で確認して目視で仕分けていく、気の遠くなる作業…。でも今となってはいい思い出かも。

今回3度目の鳥取行きの目的は、JAIPA(日本インターネットプロバイダー協会)の主催で5月末に開催する「JAIPAの集いin鳥取」の下見です。ちなみに昨年5月は「JAIPAの集いin鹿児島」があり、シナプスはホスト企業としてその運営に携わりました。地理が不得意な意識はありませんでしたが、鳥取・島根からなる山陰地方は盲点でした。勉強不足の思い込みで「面積の小さい県」と思っていましたが、違いました。鳥取県は東西で約100km、隣県島根は東西230kmあるそうです。2県合わせた東西の距離300km超は、九州の南北に匹敵します。広い!というか長い!
鹿児島から鳥取までの交通ですが、大阪伊丹空港乗り換えで鳥取砂丘コナン空港へ向かう方法もあるようですが、乗り換えの待ち時間が嫌なのでJRにしました。鹿児島中央駅→姫路駅→鳥取駅のルートで、所要時間は5時間半ほど。やはり地方-地方の移動は時間が掛かります。でも列車の車窓を流れる、初めて見る景色は飽きません。鳥取県は予想外に長い県でしたが、人口は少ないです。鳥取県全体で53万人弱、県庁所在地の鳥取市は18万人弱です。鹿児島県の152万人、鹿児島市の59万人程度と比べると、その少なさが分かります。県内総生産を比べると、鳥取県は約2兆円、鹿児島県は5.5兆円。となると、県民一人当たりの生産額では鳥取県が優位!
あと鳥取県が素晴らしいのは、通信サービスの充実度合いです。それは20年以上前に鳥取県が「鳥取情報ハイウェイ/とりネット」として県内を網羅する光ファイバー網を整備したことに起因します。鳥取県は東西に長く、そして山間部も多く集落も点在しているので通信網の整備には不利です。JRで姫路から鳥取へ移動しているとき、鉄路が山と山の間に点々とある集落を結ぶ様子に「これは大変だ。」と思っていました。しかしとりネットを介することで、民間のCATV事業者などがリーズナブルな価格で通信サービスの提供ができているようです。素晴らしいぞ、鳥取!

あと今回の鳥取では、印象的なことがありました。それは熱く真剣な鳥取市議会議員Yさんに会ったことです。鳥取訪問の直後に、こんなメールやり取りをしました。まず竹内から市議会議員Yさんへのメール(一部割愛)です。

昨日は短時間でしたが、とても印象に残る時間でした。
私がJAIPAの活動や、JAIPAのイベントを鳥取市など地方各地で開催していることをご紹介しておりました。その際Y様より、「どういった成果があったのか?」といった趣旨のご質問をいただきました。とっさに私は、地方利用者の代弁者としてのJAIPAの活動事例をお話しました。しかし内心では、JAIPAのこの取り組みが独りよがりになっていないだろうか?本当に地方在住のみなさんの役に立っているのだろうか?と、自問しておりました。痛いところを突かれた思いと、市民に真剣に向き合っているY様の真摯な姿勢に触れた気がしました。

すると即座にこんな返信(一部割愛)をいただきました。

先日は私の不躾な対応にも拘らず、謙虚なメールを頂き本当に勿体ない事だと感じています。ありがとうございます。日々地方はこんなに悪戦苦闘しているけど、都会に比べ絶対的に予算が少ない現状。若者達に魅力を見せて行く奇抜なアイデアの不足、経験の不足、人脈の不足など・・・このままでは地方は都会に置き去りにされてしまう。そんな被害者意識の混じった危機感が「成果は何?」「情報ネット網で地方のQOLを上げられるのか」などご無礼な発言をしたのだと思います。重ねてお詫びします。皆様同様、県民市民に夢や希望を持って貰いたいとの想いは私も共有しているつもりです。その気持ちに免じてご容赦下さい。と同時に今後とも、地方都市・鳥取の活性化はじめ日本の各地方を豊かにして行けるよう共に努力精進していく事をお誓いしお礼の返信とさせて頂きます。

Yさんは年齢的には大先輩ですが、まだまだ活力のあふれる方でした。また5月に会えるかな。とても充実した、鳥取の下見の旅でした。

そういえば鹿児島では、鹿児島に戻ってくることを「帰鹿」といいますよね。では鳥取ではなんと言うのか?そこは想像通り、やはりというか「帰鳥(きちょう)」でした!