2025月8月7日
こんにちは、シナプスの竹内です!
今回はたんなる「すごかった…」と一言でまとめられる、小並感(死語?)100%の映画の感想です。前回見た映画は「空母いぶき」だったか、その公開はもうコロナ前だったようです。5年ぶりの映画か。
映画「国宝」ですが、Facebookでもみんなが、よかったよかった!2回観た!などと投稿しているので、気になってはいました。ただはやりのイケメン俳優が主人公で、それがウリの映画だしなーという完全な偏見で、逆に「見ないぞ」と意志を固めていました。ところがこの前の日曜日に妻が、老いた母と義母に映画を見せようと言い出し、「最期の映画鑑賞になるかもしれない…。」とまで言うものだから、仕方なく観に連れていきました。
上映時間は約3時間、長い。「寝ないように!」と注意を受けて映画館に入りました。そして冒頭5分ですぐに引き込まれ、あっという間の3時間でした。ぜんぜん想像と違った!偏見いっぱいだった主人公のイケメン俳優2人には、謝罪してもし足りません。申し訳なかったです、ごめんなさい。ただでさえ難しいであろう、歌舞伎役者という高難度の演者をさらに演じるという離れ技。というか演技に見えない。この2人の素晴らしさは当然として、その2人の、10代の子ども時代を演じた黒川想矢と越山敬達は、もうマジかと!彼らの演技力というか、演技に見えない演技も圧巻でした。Wikipediaによると彼らの歳は15歳と16歳、まだ中学生か高校1年か。いろいろな表現が自然で、わざとらしさや過剰さを感じない。この子ども時代の好演によって観客の感情移入がうながされたことも、大人世代の主人公たちが、さらに強く印象付けられた気もします。
物語のなかである大御所のじいさんが、主人公たち2人の人生に大きな影響を与えます。率直な感想としては、そのじいさんがちょっかいを出さなければもっと穏便に済んだのでは…とも思うのですが、しきたりとして仕方がなかったのでしょうか。あるいは、さらなる芸の極みに2人を導くために、人間的な成長を期待しての必要な試練を与えたのか。そう思うと、黒川想矢と越山敬達のわずか15、16歳であの演技力に達するとは、いったいなんなんだろうかと。彼らの15、6年がどういった年月だったかは知りませんが、試練と才能と、それを肥やしにものごとを極めるということについて考えさせられます。
あと音楽もすごい。主題歌「Luminance」は、これは歌なのか?とも思いますが、この映画にはこれしかない!というような歌です。
映画を観たあとに調べたところ、この映画は原作の小説に忠実に作られていますが、時間の制約上、省略されたエピソードも多いらしいです。早速上下巻を注文しました。やっぱり先入観はよくないですね!