2021月10月27日
こんにちは。シナプス・ステーションスタッフの有馬です。
表題の通り「曜日の名前が人物名になっている作品」を探しています。
私にはおもしろいな、と思った作品と似たモチーフやジャンルの別作品をしばらく鑑賞し続ける習性があります。
これまで、ループものやタイムパラドックスものや叙述トリックものを通ってきました。
思えばこれら3つの作品は、ジャンルがわかることそれそのものが重大なネタバレになることが多いので(特にループものや叙述トリックは鑑賞するにしたがって作中で明らかになることそのものが驚きや感動体験に直結していることが多い)あまり人に聞いたりはせず、さりとてググって評判を見るわけにもいかず、タイトルと表紙とセブンセンシズで当たっては砕ける(けど、まあこれはこれで面白かったなという感想を持つ)というのを繰り返してきました。
ですが今はまっている「曜日の名前が人物名になっている作品」については、そんな危険性も低そう(あらすじで大体事前情報として開示されている)なので、「こんなのあったよ!」という情報があれば、ぜひ教えていただけだけたらと思います。
だいたいは
- 「7」を表すコードネームになっている
- 日替わりで人格が変わる
- 日替わりで7人のうち1人だけが外出して7人で「1人」を演じる
パターンに大別されるのかなと勝手に思っています。
以下、今まで触れたことのある作品を導入付きで紹介いたします。
街(「7」を表すコードネームになっている)
ゲームです。
チュンソフトからセガサターンで1998年に発売されました。名作との呼び声高く、他のゲームにも大きな影響を与えています。
ジャンルはサウンドノベルで、主人公の違う短編同士がリンクするオムニバス小説に選択肢等を加えてゲーム性を持たせています。
映画でいうと内田けんじ監督の『運命じゃない人』『鍵泥棒のメソッド』、アニメでいうと『オッドタクシー』がイメージに近いかなーと思います。
渋谷を舞台に8人の主人公のストーリーの文章を読んで選択肢を選び、時にはシナリオ間をザッピングして読み解いていく(選択肢によってはバッドエンドを迎えたり、他の主人公のシナリオが進行不能になったりするので上手に話を紡いでいかないといけない)形なのですが、この8人の主人公のうち1人がある日突然、謎めいた美女「日曜日」に勧誘され組織「七曜会」の「金曜日」として活動を始めます。
他の主人公が刑事、学生、役者などなどわりと日常的でなじみ深い肩書きを持っている中、秘密組織の構成員という非日常を楽しめるシナリオとなっています。
個人的には水曜日がかわいくていいですね。チンチコーレ!
最後の移植がPSPなのでなかなか手を出しづらいかもしれませんが、「七曜会」以外のシナリオも面白く読みごたえもあるので曜日云々抜きにしてもおすすめです。
引き合いに出される小説『木曜日の男』『木曜だった男』はまだ未読なので、今後の楽しみとしています。
水曜日が消えた(日替わりで人格が変わる)
映画です。
中村倫也さん主演で、2020年に公開されました。ここで紹介している作品の中では1番新しいです。
事故で人格が7つに分かれてしまい、日替わりで人格と記憶が交代。人格同士はお互いを曜日で呼び合って、ふせんやメモで他の曜日へ言付け。主人公は火曜日。ゴミ出しや掃除を押し付けられ、図書館はいつも閉館、奔放な月曜日のしりぬぐいなど地味な役回りの曜日で鬱々としていたけど、ある日目が覚めたら火曜日じゃなくて水曜日で…という導入です。
火曜日にとって「水曜日の世界」は目新しく刺激的で新鮮さと喜びに満ちていましたが、次第になぜ水曜日が消えたのか、不安と焦燥に囚われていき…と、一風変わった設定とミステリアスな展開が楽しめます。
毎日が日曜日で釣り三昧の「日曜日」が楽しそうです。ただ、これを自分に置き換えてみて、自分が火曜日の担当だったらと思うと、毎日休みなく働いている自分に対して休みを一身に引き受ける日曜日にすさまじく嫉妬してしまいそうです。自分なのに。
よく自分が3人に分裂したら、1人は出勤、1人は病院や公的手続きに行く、1人はダラダラする…という妄想をしますが、まあ担いたいのはダラダラする役割ですよね。火曜日はえらいぞ!
後述の『セブン・シスターズ』がよく引き合いに出されますが、どっちかというと星新一先生の作品『かぼちゃの馬車』内収録の『交代制』に近いように思います(でも結末は全然違っていて、この作品も面白いです)。
セブン・シスターズ(日替わりで7人のうち1人だけが外出して7人で「1人」を演じる)
映画です。
ノオミ・ラパスさん主演で、2017年公開です。
近未来、1人っ子政策が敷かれ、2人目以降の子どもは家族から引き離されコールドスリープで眠らされてしまう世界で、ある家庭に7つ子が産まれてしまいます。7人とも育てる決意をした祖父がとった行動は、7人に曜日の名前を付け、曜日に対応した日だけ外出許可、家の中では各々素で生活してよいが、外では全員が「カレン」を名乗り1人の人格を演じて生きるよう訓練することだった…という導入で、ジャンルでいうとディストピアSF+サスペンスになりそうです。
30年後、7姉妹演じる「カレン」は政府の厳しいチェックを搔い潜り続け上手に社会に溶け込み、やり手の銀行員になりますが、原題『What Happened to Monday』の通り、月曜日が帰ってこなかったある日を境に物語が大きく動き出します。
絶望的な世界設定がまずおもしろく、そして謎が謎を呼ぶストーリー展開に終始ハラハラドキドキしっぱなしでした。
(ただ、小さな子どもがひどい目にあったり、ドンパチやグロ表現もまあまああるので、万人向きではないかもしれません。)
ノオミ・ラパスさんが見事に性格も趣味も違う7姉妹(「カレン」も入れると8姉妹?)を演じ分けていてすばらしいです。
それにしても、おじいちゃんの決意と教育、国家の監視をも欺く技術力、そしてこの極限の世界で7人育て上げる財力…どれをとってもスゴイので、おじいちゃんサイドでも面白い映画が1本作れそうな気もします。
この中では「「7」を表すコードネームになっている」というのが割と探しやすそうな気がしています。
しかし、7は曜日の他に虹の七色や七つの大罪などのライバルもいるので、油断大敵です。