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自転車のギアは多い方がいいの?

結論:用途と予算(維持費含む)による!

こんにちは、サービスシステム運用課の立山と申します。

突然ですが皆さんは自転車はお好きですか?
今回は自転車の「ギア」についてうんちくを披露したいと思います。
もし間違えてたらゴメンナサイ m(_ _)m

ギアと呼んでいる物の正式名称

自転車には、主に後輪とペダルがついている部分にそれぞれギアがあります。
後輪についているギアを「スプロケット」、ペダルがついている方を「チェーンリング」といいます。

スプロケット(画像中央)
チェーンリング(歯の部分)

私が知る限りでは、スプロケットは1~13枚、チェーンリングは1~3枚ほどギアがついていることが多いです。
2枚以上の場合は、歯数が違うギアが組み合わせてあります。
ギアの歯数は、数字の後ろにT(Teethの略)をつけて11Tのように表現します。

 

自転車の速さを計算する

ここで、ペダル1回転あたり後輪が何回転するかを考えてみます。
ペダルを1回転するとチェーンリングの歯の数だけチェーンが駆動し、そのチェーンがスプロケットを駆動しています。
よって、ペダル1回転あたりの後輪の回転数は

チェーンリングの歯数 ÷ スプロケットの歯数

となります。これを「ギア比」といいます。

計算例
チェーンリング 50[T] ÷ スプロケット 17[T] ≒ ギア比 2.94 

つまり、チェーンリングのギアを歯数が小さいギアに変えると後輪の回転数は少なく(≒ペダルが軽く)なります。

チェーンリング 34[T] ÷ スプロケット 17[T] = ギア比 2.00

逆に、スプロケットの歯数が小さいギアに変えると後輪の回転数は多く(≒ペダルが重く)なります。

チェーンリング 50[T] ÷ スプロケット 11[T] ≒ ギア比 4.55

フロントは歯が多い方が重く、歯が少ない方が軽い
リアは歯数が少ない方が重く、歯数が多い方が軽い

さらに、先ほど算出したギア比に後輪のタイヤ周長をかけると、「ペダル1回転あたりの自転車の進む距離」が算出できます。

ギア比 × 後輪のタイヤ周長 = ペダル1回転あたりの自転車の進む距離

計算例:ギア比が2.94、後輪のタイヤ周長が2105[mm](700Cx25C)[1]の場合
2.94 × 2105[mm] ≒ 6189[mm] ≒ 6.19[m]

さらにさらに、算出した距離にペダルの回転数をかけると、「速さ」が算出できます。

ペダル1回転あたりの自転車の進む距離 × ペダルの回転数 = 速さ

計算例:ペダル1回転あたりの自転車の進む距離が6.19[m]、ペダルの回転数が分間90回転[rpm]の場合
6.19[m] × 90[rpm] = 557.1[m/min] ≒ 33.4[km/h]

ギア比の話に戻りますが、ギア比の範囲はチェーンリングの歯数とスプロケットの歯数に依存します。

最小ギア比:チェーンリングの最小歯数 ÷ スプロケットの最大歯数
最大ギア比:チェーンリングの最大歯数 ÷ スプロケットの最小歯数

つまりタイヤ周長が同じ場合、人力でペダルを漕いで出せる速さはおおむねギアの組み合わせで決まります。
なので、何速のギアがついていても、タイヤ周長と最大と最小の歯数がチェーンリング・スプロケットともに同じなら、
出せる速さの「範囲」は同じです。

 

変速段数・スプロケットの選び方

先ほど、何速のギアがついていても、タイヤ周長と最大と最小の歯数がチェーンリング・スプロケットともに同じなら、
出せる速さの「範囲」は同じといいました。

ただし、最大歯数と最小歯数の間にあるギアの枚数が多ければ小刻みに変速できるようになるため、適切なギアを選択できる場面が多くなります。
逆に、適切なギアで漕げるように状況に合わせて走る速さを合わせてあげれば、ギアの枚数はそこまで多くなくてもいいかもしれません。

8速のスプロケットと、11速/12速のスプロケットの比較を以下に示します。
[]で囲んだ部分は8速にない歯数、()で囲んだ部分は同じではないものの近い歯数になっている部分です。

SHIMANO CS-HG50-8 11-28T (8段変速)[2]
11-13-15-17-19-21-24-28T

SHIMANO CS-R8000 11-28T (11段変速)[3]
11-[12]-13-[14]-15-17-19-21-(23-25)-28T

ギア比の範囲を広げる場合は、ギアの枚数が多い方がギアとギアの差が小さく済みます。

SHIMANO CS-HG50-8 11-34T (8段変速)[2]
11-13-15-18-21-24-28-34T

SHIMANO CS-R8100-12 11-34T (12段変速)[4]
11-[12]-13-[14]-15-(17-19)-21-24-(27-30)-34T

不要な歯数のギアがあれば、ギアの枚数を少なくしても影響がない場合があります。

SHIMANO CS-HG50-8 12-23T (8段変速)[2]
12-13-14-15-17-19-21-23T

SHIMANO CS-R8000 11-28T (11段変速)[3]
[11]-12-13-14-15-17-19-21-23-[25-28]T

ちなみに、軽いギア(歯数が多いギア)になっていくほど歯数の差が大きくなるのは、
1Tあたりの後輪が回転する弧の長さが変わるためです。
タイヤ周長を2105[mm](700Cx25C)[4]とすると、
11Tは1Tあたり約191[mm]、28Tは1Tあたり約75[mm]になります。
そのため、軽いギアでは前後の歯数の差が多少大きくなっても問題ありません。

CS-R8000(11速 11-25T)とHG-50(8速 12-25T)

結論

どんな状況でも快適に漕ぎたい方は、ギアの枚数が多い方がおすすめです。
走る道路の性格がいつも同じ方(ずっと平坦、ずっと同じ斜度の登りなど)、
道路にあわせて速さの方を合わせにいく方は、ギアを少なくしても大丈夫な場合があります。
部品代・維持費を抑えたい方は、ギアの枚数が少ない方がおすすめです。

 

補足

  • ここでいうペダルは厳密にはクランクを指しています。
  • ギアの段数が変わると部品のグレードが変わる場合がほとんどなので、
    実際に検討する際は重量や耐久性等々、他にもいろいろ考慮する点があります。

参考文献

[1] 株式会社キャットアイ – タイヤ周長ガイド (2026/02/14 閲覧)
https://www.cateye.com/files/manual_dl/1/129/Tire_size_chart_JP_151023.pdf

[2] 株式会社シマノ – HGカセットスプロケット 8スピード (2026/02/14 閲覧)
https://bike.shimano.com/ja-JP/products/components/pdp.P-CS-HG50-8.html

[3] 株式会社シマノ – ULTEGRA HGカセットスプロケット 11スピード (2026/02/14 閲覧)
https://bike.shimano.com/ja-JP/products/components/pdp.P-CS-R8000.html

[4] 株式会社シマノ – ULTEGRA HYPERGLIDE+ カセットスプロケット 12スピード (2026/02/14 閲覧)
https://bike.shimano.com/ja-JP/products/components/pdp.P-CS-R8100-12.html