社長ブログ

通信の品質

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
お客様への悪影響が想定されないため特にリリースはしていませんが、先月5月末にネットワーク回線の一部構成見直しと増強を行いました。シナプスをご利用のお客様に体感いただけるかは分かりませんが、通信品質が少しは向上したかなと思っています。ただお客様の通信量、いわゆるトラフィックは増大し続け、またライフスタイルによってもトラフィックの”流れ方”は変わっていきますので、それを予測しながらかつ利用料金のご負担に影響がないように、次の増強・改善にも着手しています。
もはや現代社会の不可欠なインフラとなった通信サービス。シナプスも通信事業者の一員として、通信品質についてお客様にご不便をお掛けすることは絶対に避けたいです。

ところで通信品質ってなんなのかな?ということをちょっと考えてみました。専門的なことは別としてご利用者の目線で考えたとき、ざっと、①セキュリティ(通信内容の秘密が守られること) ②稼働率(いつでも使えること) ③通信速度(Mbps/秒など) ④遅延(ms・ミリ秒) が思いつきます。

セキュリティを1番目にあげましたが、この点でお客様からご指摘を受けることは、あまりありません。それは日常のご利用では気付きにくいこと、あとあまりにも当たり前のこととして、暗黙のうちに信用をいただいているからかなと思います。でもシナプスはその暗黙のご期待にお応えするために、恒常的に間断なくその対策を行っています。

次に2番目の稼働率。「稼働率が高いから、シナプスはいいよね!」と言われたことはないですが、シナプスのエンジニアが一番胃を痛め、経営者がコストに頭を悩ますのがここです。「サービスを止めない」ためにどうするか?シンプルには、冗長化(回線の複数化や予備機材の準備など)と緻密な機器監視、計画的なメンテナンスです。通信サービスの提供料金を安くするためには、ここのコストダウンの効果はとても大きく誘惑にかられます…。しかし、社会インフラとして必要不可欠の通信サービス。ここぞという時に使えないでは意味がありません。そういったお客様の利便性とシナプスエンジニアの胃を守るためには必要なコストとなります。

3番目の通信速度と4番目の遅延。ここは多くのお客様が気にされる指標で、シナプスとしてもその維持と向上に大きな注意を払っています。しかしシナプス単独ではどうにもできない、難しい一面もあります。それは通信サービス・インターネットは複数の通信事業者の連携で成り立つことと、あと「鹿児島」という地理的な問題です。

通信速度を測るときには、一般にどこかの「速度測定サイト」を使うことになります。速度測定をすると、その速度測定サイトを運営する会社のコンピュータとご自宅のパソコンとが通信を行います。この通信の経路上のどこかにボトルネックがあれば、その影響を強く受けます。そのボトルネックがシナプスであればシナプスの責任です。ほかのボトルネックとして身近なところでは、ご自宅の無線Wi-Fi機器、有線LAN機器やパソコンの性能のほか、マンションにお住まいの場合はご近所さんの通信量なども影響します。また最近では、特に首都圏などの都市部で、一戸建ての場合でも通信速度が遅くなったという事例もあるようです。これはテレワークが進んで、自宅での昼間の利用が多くなったことが原因と言われています。自宅テレワークの増加で通信速度が遅くなることの原因は、多くの光回線サービスの構造にあります。光回線サービスは「通信速度最大1Gbps」という性能表示が多いですが、これはもちろんウソではありません。ただ各ご自宅の1Gbps回線をご近所さんの1Gbps回線と合わせて集約し、32回線分を1本の1Gbps回線にまとめて通信事業者につなげていきます。これは従来の電話も同じですが、そうしないとコストが莫大になりますし、電柱が光ファイバーで埋め尽くされてしまいます。鹿児島のような地方であれば、ご近所にバリバリ通信を使う人が少ないとか、そもそも隣近所が少ないなどによって集約される通信がそれほど多くなく、顕著な問題にはなりません。しかし都市部のような人口が密集する地域では、一戸建てであってもマンションと同じように、ご近所との通信が集約されて通信速度が低下する場合もありそうです。この点は、鹿児島で良かったです。

しかし鹿児島であることが不利な点もあります。それが通信の遅延です。遅延の測定も多くの場合、速度測定サイトを使いますが、たぶんそのほとんどのサイトは東京にあります。ここで、鹿児島-東京間の地理的な距離が問題になります。例えばですが。高速道路の鹿児島インターチェンジと東京インターチェンジの道のりは、約1,350kmあります。通信の経路も陸路では幹線道路沿いなどが多いので、通信速度や遅延の測定も、距離としては1,350kmくらい離れた場所で測っているとみなすことができます。そして光の速度は、秒速30万kmですが、通信で用いる光ファイバーのなかでは秒速20万kmくらいだそうです。とすると、鹿児島-東京間ではどうやっても、片道で約0.007秒(=7ミリ秒)、往復で14ミリ秒掛かります。つまり東京在住者の遅延測定と比べると、鹿児島はそもそも14ミリ秒分、余計に時間が掛かります。動画を見るとかSNSを使うなどでは体感上の問題はないですが、eスポーツなどの複数人が参加するオンラインゲームでは不利かもしれません。そして残念ながらこれは、シナプスで改善することは容易ではないです。

通信の品質確保と、そして価格とのバランス。非常に難しい課題ですが、「鹿児島の通信インフラの責任を担えるシナプスへ」を目標に、引き続き取り組んでいきます。