2023月5月8日
こんにちは、シナプス代表の竹内です。
一昨年5月のここのブログで、「シナプスの実績評価制度 2021年度版」を投稿しました。毎年この制度を見直しているのですが、今期も見直しました。今期は制度名も変えてしまって「フィードバック制度」としました。
毎年制度を見直すのは、残念ながら、1年間やってみてなかなか明確な手応えにつながらないからです。社外のこの分野のプロに支援を仰いだほうが早い気もしますが、諸事情あって自分たちで試行錯誤を続けています。制度の目的は単純に社員の給与や待遇を決めるためというものではなく、社員の成長が事業の成長につながるという仮説の下で、「社員の成長」と、事業の成長につながる「社員の行動」を高めていく点に置いています。その観点で、社員個々人の成果や”がんばり”は重視しないというコンセプトでした。成果は時の運にも大きく左右されるし社員個人への不合理な目標押しつけをしたくないし、また”がんばり”という気持ちは本人の主観で他者からは見え難いので、あくまでその発露となる行動の質と量で評価することとしました。そして上長は毎月の面談を通じて、社員の行動の質と量向上のバックアップをします。
ただ1年間やって、あまりうまくいきませんでした。大きな原因としては、社員視点からは、行動を事細かく指図されるように映るので主体性が発揮し難い、責任意識も持ち難いなどがありました。また上長の負担も大き過ぎたようです。
ということでフィードバック制度に衣替えをしました。名称は「評価されるのがイヤ」という声があったことで変えました。前期までの実績評価制度にも今回のフィードバック制度にも、成長と行動を高めるための実態把握の項目はあります。ただ過去の評価そのものが目的ではなく、今後どうやって成長と行動を高めていくか?に主眼があることを明示したいと思い、名称を変えました。
さて名称以外の中身の変更ですが、大きくはアウトカム型目標とアプトプット型目標という項目を新設しました。アウトカム型は最終的な成果を確認し、アウトプット型はこれまでも重視してきた行動を確認します。アウトカム型目標とは例えば「営業受注1,000件」などの成果で、アウトプット型目標とは「営業訪問1,000件」などの行動になります。どういう目標を担いたいかは、上長と相談の上で各個人の意向を重視することとしました。会社の事業としてはアウトカム型のほうが助かるのですが、社員の自認する得意不得意もあって、黙々と行動を積み重ねることを好む社員もいることがその理由です。ただアウトカム型のほうが会社全体としてはありがたいので、ウェイトを高くしました。
あと「目標を持つこと自体がイヤ」という社員の声もありました。事業運営の立場としてはちょっと困りましたが、一度その声を受け止めてみようかと思い、「嫌な目標は断って良い」「目標なしでも良い」としました。やりたくないことを押し付けても仕方がないなと。また別の社員の声で「誰が何をしているのか分からない」という意見もありました。それらの意見も含めて考えて、社員個々人が取り組んでいる課題・目標を全社でオープンにすることにしました。社内で使っているグループウェアのカスタマイズ機能で、社員全員の目標とその内容や進捗を共有できるようにします。これでいつでも誰でも、誰が何をしているかが分かりますし、また仲間の取り組みを知ることで、目標を持って取り組むことの意義を再確認できないかなという意図も込めました。
このフィードバック制度に事業の成長がリンクするためには、的を射た合理的な目標設定ができるか?も大きな課題です。そのために前期下半期の約半年間を掛けて、経営指針とそれに基づく戦略マップを策定してきました。設定する目標は必ず、戦略マップ上のどこかの施策・取り組みに紐付けられます。これによって個々人の目標と事業成長をリンクさせて、また手段が目的化するような事態を抑止することも期待しています。
いろいろと書きましたが、はじまりはこの5月からです。うまくいって欲しいんですが。