社長ブログ

場数(ばかず)

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
鹿児島県中小企業家同友会という、経営者の勉強会に参加しています。2017年に代表取締役という職責を預かってすぐ、先輩経営者に勧められるままに入会しました。社長ってどんな人たちなんだろうか?を知りたいくらいの、軽い気持ちで入会しました。以来7年経ちましたが、経営者自らが企画運営し、自ら学び実践する…というガチなスタイルで、なかなかハードながら続けています。

その同友会が主催する「社長の修行場」というイベントが、毎年5~6月に開催されます。今年も、鹿児島県内の霧島市・薩摩川内市・志布志市・鹿児島市の4会場で開催されます。昨日6月8日は志布志市で開催され、SWOT分析と、決算書の活用について、話をする機会をいただきました。なんで実績も無い立場でそんな機会をいただくかというと、同友会の志向の一つに、会員経営者自らが先生であり生徒である…があるからです。この「社長の修行場」の元となる「経営指針セミナー」を、2018年に半年間に渡って受講しました。そこで教えてもらい、これまで実践・経験してきたことを踏まえて、“恩送り”の考えで次の受講者に伝えていく。しかしそれは同時に、話の準備をするなかで、自分自身の学びを深める機会にもなる…というものです。にしても昨日の志布志は、完全に自画自賛ですが「うまくできた。」という充実感がありました。まあ自己満足です。

昨日のうまくできた感の原因ですが、一つは「場数(ばかず)」だと思います。
そもそも人前で話のは苦手です。本番前日は今でも憂うつになります。しかし今回に限らず「社長」という立場上、社内外の人たちに何かを伝えなければならないシーンは数多くあり、スキルとして避け得ないことです。なのでもうやるしかなく、「最低年4回は社外で話をする機会を作る」を自分に課してきました。特に社長の修行場での決算の話の担当は、2022年から3年目になります。さすがにブラッシュアップも進みます。これまで社長の修行場に参加いただいた方には、なんか練習?に付き合っていただいたみたいな感じもして申し訳ないですが、結果としてありがとうございました!

そんな感じで決算の話をさせてもらいましたが、そもそも決算や、その基礎となる会計や簿記の知識を得られたのも、偶然の機会と”場数”でした。30歳代の中ごろの会社員時代、会計の知識は必須だなと思い、簿記3級を取得しました。簿記3級の範囲は商業簿記で、会計や当時の会社業務の内容は網羅しており、これで会計や決算は理解できるはずでした。しかしさっぱり、分かったという実感が湧きません。会計資料や決算書を見ても、全体として頭に入ってこないというか。税理士さんの言っていることも分からない。その後もいろいろな解説本を読みましたが、やっぱり、分かった!にはなりませんでした。しかしその数年後の転職先、入社後の急な異動で、経理と給与計算をさせられることになりました、まったく経験がないのに。前任者の急な退職により、「理系だから数字は得意だろう?」の一言で。経理と給与計算の業務は、毎月と毎年のルーチンワークが続きます。いやだろうがなんだろうが、やらなくてはいけない時期が必ず訪れます。経理も給与計算もお金を扱う業務で、間違いが許されない仕事と言われますが、何度やらかし、何度怒られたことか。今になって思い返すと、よく許してくれたものだなとも。

しかしここでの”場数”、今となっては、何ものにも代えがたい貴重な場数となりました。志布志市での決算書活用の話も、このときの場数がなければ、単なるお勉強発表会程度になっていたはずです。もちろんそれ以上に、日頃の社長としての職務遂行や、先月乗り越えた株主総会での株主への説明でも、ここでの経理や決算実務の場数が役に立っています。その当時はもちろん、今の状態を想像などできませんでしたが。

意図しない希望しない場数、必要に迫られてやむを得ずこなした場数、あんまりポジティブな場数は無いですが、そのいずれも、今の自分を支えてくれる貴重な場数となりました。