シナプスの主事業を支えるネットワークエンジニアとは
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”今回はネットワークエンジニアについて色々聞いてみようと思って、技術部の中野部長、上曽山(かみそやま)課長、末吉さんに集まってもらいました。
多分一般的にインターネットを使っていらっしゃる方は線を接続すればもうインターネットにつながるようなイメージを持っていらっしゃる方も多いと思うんですが、まあ実際に中ではどんな事が行われてるのかなっていう。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”基本的にはシナプスのお客さまがインターネットを快適に利用できるよう、24時間365日体制でネットワークやサーバを監視しています。他にも機器のメンテナンス、アップデートなどを行ったり、「ピアリング」という他の事業者さんとトラフィックを交換して安定した通信が行える環境づくりを行っています。”]
[注釈(画像つき) タイトル=”インターネット接続をより快適にする「ピアリング」” 本文=”ピアリングとは、ISP事業者や企業が相互にネットワークを接続して、トラフィックを交換し合うこと。
例えばYouTubeを快適に閲覧できる環境にするためには、YouTubeを運営するGoogle社とトラフィックを交換し合うことで、通信が安定し、より快適に動画を視聴できるようになる。シナプスではお客さまの利用状況をチェックしながら、他のプロバイダなどのISP事業者やGoogleなどのコンテンツ事業者と交渉し、ピアリングを行っている。” 画像=”https://corp.synapse.jp/apps/resource/wp-content/uploads/2019/11/img02_08-1.png”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”採用活動をしていても思うけど、ネットワークエンジニアという職業があるとか、どんな事をしているかというのは、一般の方にはなかなか知られてないよね。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”基本的にネットワークエンジニアがいい仕事をすればするほど問題がなくなっていくので、優秀であるほど存在感がなくなる職業ですからね(笑)”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”だいたい、地方のプロバイダでネットワークエンジニアがいるっていう会社も意外と少ないんですよね。他の企業さんは大手にアウトソーシングしてるケースも多くって。
シナプスには社内にネットワークエンジニアがいますが、それって結構珍しいと言われます。
今ネットワーク課って7名でしたっけ?”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”今はネットワークエンジニアが全部で5人と、あと監視業務を専門でお願いしているスタッフが2人ですね。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”私は地元にネットワークエンジニアがいるっていうのは、結構大事な事だと思っているんですよね。
地方がもっと活性化するためにはICTの利活用が必須じゃないですか。そのためには快適なインターネット環境というのはとても重要だと思ってて。
技術者自身はなかなかわからないかもしれないけど、すごく価値のある存在だと思っています。”]
使えないという状況を作らない
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”社内の役割分担でいうと、末吉さんがネットワークを担当して、上曽山課長がサーバを担当している感じですか?”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”いや、私はどちらかというとみんなのダメ出し担当みたいな感じです(笑)
通常、メンテナンスなどの作業前には各自が作業手順書を作成して、事前に作業内容と手順を確認するんですが、末吉さんの作る作業手順書を読んで「この手順いらないんじゃない?」とか突っ込んだりして。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”もちろんサーバも担当されているんですけど、たしかにダメ出しもされます(笑)でも自分とは違う視点で意見をいただけるのですごく参考になりますよ。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”手順書はプレゼン資料と同じくらいわかりやすくないといけないと思うんですよ。誰が見てもわかる、無駄な手順がないというのはミスのない作業のためにも重要なことです。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”とにかくネットワークが使えないという状況は絶対に作ってはいけないので、そのために作業前に手順書を作成して複数人で確認していくのは大事なことですね。サービスを止めないために、機器を一部動かしながらメンテナンスしないといけないので、できるだけ効率の良い手順で行うことも重要だし。”]
[注釈(画像つき) タイトル=”サーバやネットワーク機器の監視・メンテナンス” 本文=”シナプス社内にあるサーバ室での様子。サーバやネットワーク機器は空調管理された専用ルームに配置され、ネットワーク課のスタッフによって24時間365日の監視体制と、定期的なメンテナンス、6年を目安にしたリプレイスが行われる。” 画像=”https://corp.synapse.jp/apps/resource/wp-content/uploads/2019/11/img02_11.jpg”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”エンジニアと言ってもいろいろなジャンルがあるけど、やっぱりネットワークエンジニアの方はとにかく回線やサーバを止めない、サービスを止めないということを重要視してるよね。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”本当にそれが一番大事ですね。ちょっとしたミスでたくさんの方にご迷惑をおかけしてしまうことになりますから、そういった緊張感は常にあります。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”自然災害なども影響してきますしね。鹿児島も今年の7月には大雨で各地被害も出ましたし、お客さまからはそういった災害時にも問題なく使えるサーバについての相談もあります。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”うちの会社も台風とかなにかあるたびに泊まり込んだりするもんね。24時間365日必ずネットワーク課のスタッフが出勤している状態にしているし、屋上に非常用電源も用意したり。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”実際にインターネットってもう水道や電気と同じレベルのインフラですもんね。
やはりネットワークエンジニアとしてはインターネット接続が切れないように、不安定にならないようにというのは一番気をつけていますし、もっと速く、もっと太い(安定した)環境を作れるように意識しています。”]
環境が整備されてもインターネットは遅くなっている?
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”でも実際、今の光インターネットの速度って実は遅いんですよね。
光自体は速いんだけど、最近は動画などの通信量も増えてしまって帯域がいっぱいになるので、結果として遅くなってる。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”以前はウェブサイトの閲覧が主でしたが、2002年頃からWinnyなどのP2Pが増え通信量が大幅に上がりました。今では動画が一番大きいかなと思いますね。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”快適なインターネット環境のために今シナプスで進めているのは、大阪に接続拠点(ピアリング先)を作るということですね。
今は東京に接続拠点がありますが、今後も通信量は増えて行くでしょうし、災害などで東京の接続拠点がダメージを受けるという可能性もあるので、リスク回避としても大阪にも接続拠点を設ける予定です。”]
[注釈(画像つき) タイトル=”大阪に接続拠点(ピアリング先)を新設” 本文=”シナプスでは今年12月に大阪に接続拠点(ピアリング先)を増やし、より快適なインターネット環境を提供する用意を進めている。
大阪にピアリング先を設けることで、西日本内での通信がより快適になるほか、元々東京のみだったピアリング先が2エリアになることで、災害時などのリスクも軽減される。” 画像=”https://corp.synapse.jp/apps/resource/wp-content/uploads/2019/11/img02_09.png”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”これは今年の3月くらいから進めていて、やっと年内には開設できそうですね。やはり鹿児島から大阪までの安定した通信容量を確保してもらうのにも半年くらい時間がかかりました。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”このあたりのことはシナプス技術者ブログでも書いてみたのですが、リスクの問題だけでなく、大阪に接続拠点ができると西日本内での通信もより快適になります。
●ピアリングポリシーの話 | シナプス技術者ブログ“]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”ネットワークの運用って、どう工夫すればもっと効率よく通信できるかなっていうパズル的な面白さがあるんですよね。
例えばインターネット通信の内容によっても対応は変わってきます。
P2Pが多かった頃はISP事業者とのピアリングをすればよかったのが、今はGoogleなどのコンテンツ事業者とつながるのが重要になってきています。
次はどんな通信が増えるんだろうとか色々考えながら動いていかないといけないし、やればやるほどコストはかかるので、性能と費用のバランスも考える必要がありますし。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”ほんとに、お金はかかるよね。。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”サーバやネットワーク機器も6年を目安に交換していくので、そういったハード面の費用もありますしね。”]
人と人との繋がりがネットワークを作る
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”光回線のスピードが遅いという問題に対しては、実はプロバイダと総務省、消費者団体、NTTさんで研究会をして改善検討をするという取り組みもあるんですよ。
結構熱い議論もあって、その中でシナプスが意見を伝えさせていただく機会もあったんです。なぜかというと、まず数少ない地方のプロバイダで、さらに自前でネットワークの構築・運用をやってるから、結構全国でも珍しい存在なんです。
そういった意見に注目してもらって、NTT東日本さんなどにも当社へ見学に来ていただきました。鹿児島はNTT西日本だから担当外のエリアなんですが。
これも自社にネットワークエンジニアがいるからこその成果だと思います。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”そういえば研究会では国内で唯一社名を公表して実績を開示したりしたので、ちょっと業界内で驚かれたりもしましたね。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”そう、公正な議論をするためのデータなので数字も社名も出したら、意外と1社だけだったっていう。。”]
[注釈(画像つき) タイトル=”研究会での実績開示” 本文=”接続料の算定に関する研究会(第20回)資料20−7より
株式会社シナプスはインターネット接続に関する公正な議論を促すため、「接続料の算定に関する研究会」資料において、唯一実名での数値を開示した。” 画像=”https://corp.synapse.jp/apps/resource/wp-content/uploads/2019/11/スクリーンショット-2019-11-26-23.22.28.png”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”その総務省やNTTさんなんかの議論を聞いてても思うんだけど、ネットワークって結構人間臭い部分が多いよね。
何でもシステマティックに決めるんじゃなくて、「エンドユーザーにどういう風に使ってほしいから」とか、色々想いで動いてる部分が大きいような気がして。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”よく「人と人との繋がりがネットワークを作る」って言われるんですが、本当にその通りだと思います。
インターネットってお互いの善意で出来てるなと思いますよ。ISP事業者も悪意を持ってなにかしようと思えばできてしまうけど、そんなことはしないですし。お互いにきちんとコントロールしてるから成り立ってる。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”あと他社のネットワークエンジニアさんとの繋がりもすごく深いですね。末吉さんも最近はネットワークエンジニアの集まるユーザーミーティングとかに行ってるから実感あるんじゃない?”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”そうですね、たしかにユーザーミーティングに行って直接お話すると、「じゃあピアリングやりましょうか」とか受け入れてもらいやすくなったりとかはありますね。
まあ最初は中野部長からいきなり一人で行かされてボッチからのスタートでしたけど。何回か行ってるうちにいろんな話を聞くことができるようになりました。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”ネットワークエンジニアの集まりって、すごくフラットだよね。自分自身もJANOG(※2)に行って感じたんだけど、有名企業の代表の方とかでも贔屓されたりすることもなくて、みんな一人のエンジニアとして接してるよね。
質問や議論も活発にされてるし。”]
※2 JANOG: 日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ。年に2回ほどカンファレンスがあり、毎回1600名ほどが参加している。
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”たしかにフラットだし、すごくいい関係ですよね。会場でちょっと困っている事を相談すると、それに関連する企業の方を紹介してくれたりしますし。
あとはネットワークエンジニアってみんな大なり小なり色んなトラブルを経験してると思うんですが、そういう体験談をシェアしてくれたりもして、すごくありがたいですね。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”大企業のエンジニアだからすごいとか、そういう意識もお互いないしね。やっぱり「いろんな条件に置かれた時にどうベストなパフォーマンスを出すか」がネットワークエンジニアの真価だから、逆に小さい企業のエンジニアのほうが能力がある場合もあるし。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”あと繋がりで言えばネットワークエンジニアが情報交換するSlackもあって、甲子園やゲームなど、トラフィックが増大しそうなイベントがあるときはみんなで情報を共有してます。
やっぱりインターネットネットワークって自社で完結するものじゃなくお互いに影響があるので、ネットワークエンジニア同士で連帯してますよね。
今うちはそういう情報を頂いて恩恵を受けている側なので、今後は情報のアウトプットもしっかりやって、業界に少しでも貢献できたらなと思っています。そういう意味で「シナプス技術ブログ」を開設しましたし、今後は勉強会などでも積極的に登壇していきたいですね。ね、末吉さん。“]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”なんか急に来た…!”]
ネットワークエンジニアを育てる環境
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”ちなみに入社したときからネットワークエンジニアとしての知識があった人っていないですよね?
上曽山課長は最初ウチのサポートセンターにアルバイトとして入って、それから異動でしたよね?どうやって知識を身につけていったんですか?”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”そうですね。1年ほどサポートセンターにいたのでちょっと違うことをやってみたいと思って。その前はレンタルビデオ屋で働いていたので、ネットワークの知識は全然なかったですね。ネットワーク課に来てからOJTのような感じで先輩方に教えてもらいました。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”僕もそんな感じです。あとは「使ってない機器があるから勝手に遊んでいいよ」って渡されて、自分でネットワークを構築してみたりしてましたね。
「うまくいかないのはなんでだろう」とか自分で考えて解決しながらすすめていけたので、あの経験がすごく勉強になりました。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”やっぱり多少の向き不向きというか、素養はあるのかもしれないですね。どんな方が向いてると思います?”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”やっぱり探究心のある方が向いてるかもしれないですね。自分で調べていくのが好きというか。
あとはインフラ系のエンジニアって物理作業も結構多いので、子供の頃に何かをバラして遊んでた人とか(笑)今でも新しい機器が動いて、最初のファンがなる瞬間はワクワクします。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”そういえば私も機械をバラして遊んでました。あと確かに新しい機材を見るのも楽しいですね。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”僕もいらないラジカセとかそういうのをバラしてました。元には戻せないんですけど、「これってどうなってるのかな」って気になってバラしてしまうんですよね(笑)”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”やっぱりみんなものづくりが好きなんですかね。
ちなみに私は小学校の自由研究で、砂浜から砂鉄を集めて製鉄したこともあります。もののけ姫にでてくる「たたら製鉄」と同じ方法で。”]
[吹き出し 名前=”上曽山” 発言文=”なにそれこわい。”]
[吹き出し 名前=”末吉” 発言文=”こわい。”]
[吹き出し 名前=”竹内” 発言文=”えっ、みんなバラした経験があるの?今度採用試験でも聞いてみようかな(笑)ネットワークエンジニア向きの人が分かるかも。”]
[吹き出し 名前=”中野” 発言文=”ネットワークエンジニアって数は少ないですが、人が増えるともっと色んな事ができるようになりますし、やりたいこと、できることはたくさんあると思いますので、ぜひ学生さんにも興味を持っていただきたいですね。”]
[リンクカード タイトル=”シナプス技術ブログ開設” 本文=”シナプスのエンジニアの技術向上と情報共有を目的として、エンジニア全員が書くブログを開設しました。
ピアリングの仕組みや、コーポレートサイトで利用した技術の話、地元のイベントにWi-Fiネットワークを提供した話など、自分たちの技術の紹介や新しい学びを技術者目線で執筆しています。
ぜひご覧ください。” 画像=”https://corp.synapse.jp/apps/resource/wp-content/uploads/2019/11/img02_07-2.jpg” リンク=”https://tech.synapse.jp/”]