社長ブログ

企業のダイバーシティ

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
前回のブログで「中小企業家同友会という経営者中心の異業種勉強会で最近、ダイバーシティをテーマとした勉強会が」あった…ということに触れましたが、それ以来ほんの少しですが、ダイバーシティについて気に留めています。ここまでで一つ思うのは、ダイバーシティの重視には少なくとも2種類あるかもなということです。

ダイバーシティ重視の2つとは、人は誰でもその存在を理由にしてそもそも尊重されるという根源的なダイバーシティ重視、もう一つは企業のダイバーシティ重視です。根源的なダイバーシティ重視はそれ自体が目的になりますが、企業のダイバーシティは完全に手段です。書いてしまえば当たり前のことかもしれないのですが、ダイバーシティを推進している企業は、CSRの視点からか、自社のダイバーシティ活動を”根源的なダイバーシティ”的に宣伝したりするので、その2つが曖昧に混ざっている気がします。

企業のダイバーシティとは何かというと、それぞれの企業の目的の達成のために、それに寄与する手段としてのダイバーシティです。この企業のダイバーシティは手段だといういうことについて示唆をもらったのは「日本人の大多数はダイバーシティの意味を誤解している」の記事です。企業の存在意義は経営理念で定義されるとすれば、経営理念にダイバーシティを掲げている企業にとってはダイバーシティは目的かもしれませんが、そうではないほとんどの企業にとっては、ダイバーシティは手段です。
ここからは前出の記事の内容からもらった考え方が多いですが、企業にとってダイバーシティは手段であるので、よく見聞きするダイバーシティの実現方法である、多様な個性の尊重とか、多様な働き方とかテレワークとか、働きやすさとか、それらは全て手段です。

必ずしも自明ではないですが分かりやすそうなところでは、テレワーク。テレワークによって通勤時間やそのストレスから開放されることで、生産性が向上して企業業績が向上するとか。もしくは、才能豊かではあるけど、身体に障がいを持っていて通勤が困難な方をテレワークで雇用するとか。いずれにしてもこの場合テレワークの実施目的は、通勤時間削減や通勤ストレスからの開放ではありません。あくまで生産性の向上です。なので生産性向上の効果が見えない、またはテレワークをする社員の側から生産性向上を示せなければ、テレワークの意味は無いことになります。他にテレワークの効用を探すと、テレワークをしている会社の方が働きやすそうなイメージがあって、良い社員が採用しやすい…もあるかもしれません。

テレワークと生産性というとてもミクロな事例を取り上げましたが、企業のダイバーシティの一番の効用は、多様な視点・多様な価値観・多様な才能が混ざり合うことによる新しい付加価値の創造、企業価値の増大にあることは、多くの意見ではないかと思います。多様という混沌をうまくまとめる組織・制度づくりがとっても大変かもしれませんが。

企業のダイバーシティの話ばかりでしたが、根源的なダイバーシティと企業のダイバーシティは全く別物で関係がないか?というと、そうでもなさそうです。古い、既成概念のモノサシで測って、何らかの障がいに起因して生産性が高くないとされてしまう方がいたとします。このとき企業のダイバーシティ重視ではその方の活躍する場は無いのか?というと、活躍する場がないと判断すればそれは正しくはないであろうと思います。自社で実績があることではないので、根拠はいろいろな方のお話や他社事例を見ての想像になります。その方の活躍できる職場環境づくりは、他の多くの社員にとっての生産性向上につながるであろうし、その創意工夫のプロセスも、組織としての力や個々人のスキルのアップにつながります。そして目には見えにくいですが、社員同士の相互補完や相互承認、気づきといった面でも効果があって、チーム全体・会社全体のパフォーマンス向上に寄与しそうです。そして実際にそういったご近所の会社を見たりもします。

いずれにしてもどちらのダイバーシティも、シナプスはまだまだです。もっと実践に移さないと!