社長ブログ

AIアイドル

こんにちは、シナプス代表の竹内です。
昨年末近くより、ChatGPTに代表される生成AIというものが注目を集めています。それ以前から絵画や音楽などをAIに作らせる技術も急速に進化していて、イラストレータや作曲家の仕事が減る!という話題も増えていました。今回のChatGPTは対話型で、特に専門知識が無くても誰でも扱えることから、特に大きな注目を集めたようです。

2020年頃に「シンギュラリティ」というキーワードがちょっと賑わいました。以前のブログでも触れましたがシンギュラリティとは、人間の脳とAIの能力が逆転して、急激な技術の飛躍が起きる現象を指します。そしてそれが現実化するのが2045年と予想されていました。あと20年ちょっと。最近の生成AIを見ていると、シンギュラリティは本当に来るかも…と思わざるを得ません。そして、AIの進化によって人類は滅亡に向かう…という意見も目にします。2045年、人類はどうなっているのか?

人類滅亡の話は置いておいて、生成AIを含めた技術の進歩は、真偽の見極めをとても難しくしています。例えばChatGPTであれば、その対話の受け答えが自然すぎて、人とチャットでやり取りしている錯覚を覚えます。もはや業務で必要不可欠ともなったオンライン会議サービス/Zoomでは、映す自分の顔にヒゲをはやしたり、口紅をつけたりできます。これも進化して使いこなせば、オンライン会議の参加者は、全員もれなく美男美女になれます。
進んだ技術では声も容易にいじれます。ある芸人さんが自分の曲を作るというYouTubeを見ました。まあお世辞にも上手な歌声ではなかったです。でもプロデュースをしている人が録音後に「オートチューンを掛けて…なんとかする」と言っていて、そして実際に完成した曲を聞くと、しっかりとした歌声に変換されていました。文字に映像に声に、進化した技術によってどうとでもいじれる時代になりました。
こうなると通信や放送を通じてなされる間接的なコミュニケーションにおいては特に、情報の真偽の検証はもうできなくなりそうです。これまで真偽判断の重要な根拠となったような証拠写真や証拠映像、証拠音声は、もう信用できません。それよりも、相手の実在そのものの検証もできなくなるか。実在確認は、マイナンバーカードのような公的に承認されたICカードを頼って、それで認証して本人を確認するようにするか…。

一方最近は「AIアイドル」が増えているようです。AIで生成された、理想的な姿を持った実在しないアイドル。でも実在しようがしまいが、そもそもテレビやネットで見ることがメインなら、もうAIアイドルでもいいやになりそうです。画面を通じたコミュニケーション限定ですが、理想的な姿で、理想的な声で、理想的な受け答えをしてくれるアイドル、最強です。

こうなってくると、何が良くて何が悪いのか、こんがらがってきます。AIの進化の行く末の2045年の世界は、どうなっているのか?現状を見ると、かなりネガティブな暗い世界を想像してしまいます。極論では映画/ターミネーターのような世界ですが、そこまででなくても、嘘と虚構にまみれた疑心暗鬼の世界とか。
しかし全く根拠はないですが、けっこう明るく幸せな世界になっているんじゃないか?と思っています。AIでできるものは全てAIに置き換えられ価値が下がり、反面、それでも人でなくてはならないものが残って再認識されて、その価値が高まっていく。それが何かは分かりませんが、人としての優しさとか温もりとか、心を満たす豊かな自然とか、そういった、今は漠然とした価値しか持ち得ていないものの価値が、明確に高まっていくとか、です。根拠はないんですが。でももしそうなったら、ここ鹿児島の価値って、べらぼうに高まると思いませんか?そんな妄想で、2045年がとても楽しみです。そのとき生きていれば75歳の後期高齢者ですが、なんとかギリギリ間に合いそうです。